【スポーツの秋】理学療法士が伝授!お部屋でできる簡単「貯筋」運動
金木犀の香りが心地よく、秋晴れの日が気持ち良い季節となりました。 10月には「スポーツの日」もあり、「何か運動を始めたいな」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回は、私たち理学療法士が、ご自宅で安全にできる「貯筋(ちょきん)」運動をご紹介します。 「貯金」と同じように、毎日少しずつ筋肉を蓄えて、この先の生活をもっと元気に、もっと豊かに過ごしましょう!
なぜ「貯筋」が大切なのでしょうか?
年齢とともに、何もしないと筋肉は少しずつ減っていきます。 筋肉が減ると、 「椅子から立ち上がるのが、なんだか大変…」 「ちょっとした段差でつまずきやすくなった」 「長時間歩くと、膝や腰が痛くなる」 といったお悩みに繋がることがあります。
「貯筋」には、こんないいことがあります。
- 転倒の予防: 足腰の筋肉がバランスを支え、ふらつきにくくなります。
- 膝や腰の痛みの軽減: 筋肉が関節をしっかり支え、負担を軽くします。
- 行動範囲が広がる: 買い物や散歩など、自分の足で出かける自信がつきます。
激しい運動は必要ありません。大切なのは、“続けること”です。
テレビを見ながらでもOK!理学療法士おすすめ「ながら貯筋」3選
お部屋で、椅子に座ったままできる簡単な運動です。 安全なように、安定した椅子に深く腰掛けて行いましょう。
1.かかと上げ運動(ふくらはぎの貯筋)
歩くときや、体のバランスを保つのに大切な「ふくらはぎ」の筋肉を鍛えます。
- 椅子に深く座り、両足を床につけます。
- 息を吐きながら、両足のかかとをゆっくりと持ち上げます。
- 息を吸いながら、ゆっくりと下ろします。
- この動きを10回繰り返しましょう。
2.ひざ伸ばし運動(太ももの貯筋)
立ち上がりや階段の上り下りに欠かせない「太ももの前側」の筋肉を鍛えます。
- 椅子に深く座り、姿勢を正します。
- 息を吐きながら、片方の足をゆっくりと前に伸ばし、ひざをまっすぐにします。
- その状態で5秒キープし、息を吸いながらゆっくりと下ろします。
- 反対の足も同じように行います。左右5回ずつ繰り返しましょう。
3.立ち座り運動(足全体の貯筋)
日常生活で最もよく使う「立つ」「座る」の動作で、足全体の筋肉を効率よく鍛えます。
- 安定した椅子の少し前に座ります。
- 両腕を胸の前で組むか、椅子のひじ掛けに手を添えます。
- 「よいしょ」と声に出しながら、ゆっくりと立ち上がります。
- お尻を後ろに引くように、ゆっくりと座ります。
- この動きを5〜10回繰り返しましょう。 ※不安な方は、テーブルなどに手をついて行ってください。
運動をするときの「3つのお約束」
安全に運動を続けるために、以下の3つのことをお約束ください。
- 無理はしないこと: 痛みを感じたら、すぐにお休みしましょう。「気持ちいい」と感じる範囲で行うのが長続きのコツです。
- 呼吸を止めないこと: 力を入れるときに息を「ふーっ」と吐くと、血圧が上がりにくくなります。
- 水分補給を忘れないこと: 喉が渇いていなくても、運動の前後にはコップ一杯のお水やお茶を飲みましょう。
さいごに
いかがでしたか? 「貯筋」は、一日数分からでも始められます。毎日コツコツ続けることで、数ヶ月後にはきっと体の変化を感じられるはずです。
私たち訪問リハビリの理学療法士は、お一人おひとりの体の状態やご自宅の環境に合わせて、最適な運動プログラムをご提案しています。 「どんな運動から始めたらいいか分からない」「ひざに痛みがあって不安」など、気になることがあれば、どうぞお気軽に私たちにご相談ください。
気持ちのいい秋、一緒に楽しく体を動かして、健康な毎日を送りましょう!


